Natural Products Library天然物ライブラリー

相互利用の特徴

ライブラリー相互利用の仕組みを構築するにあたり、一番考慮したのは、利用のハードルを下げることです。天然物のスクリーニングにおいては、ヒット後の単離・精製というステップもあり、強力な活性を示したために期待して単離してみたら既知化合物だったというケースも多いのが現実です。これまでの事例では、ヒットが出るかどうかもわからない段階から成功した場合のロイヤルティーを契約に盛り込み、結果的に条件面で折り合わずにスクリーニングすら行えないこともよくあるようです。

そこで、最初に利用する段階においてはできるだけハードルを下げ、利用者はライブラリー提供企業の条件提示事項を承諾すれば創薬ターゲットを一切開示することなくスクリーニングを行うことができる形とすることで、組合員企業間において合意しました。

スクリーニングの結果、利用者の考えている系で求めるヒットがあり、培養の再現性 (これはライブラリー提供企業にお願いすることになります) をクリアし、さらに化合物の構造が判明した段階で初めて特許を出願するかどうかの判断をする事になります。利用者とライブラリー提供企業は、この段階で個別に本格的な契約を結び、更なる評価を進めていく流れ(下図)となっています。

ライブラリー相互利用の流れ