Activities事業内容

有用天然化合物の安定的な生産技術開発

NEDO委託事業
(平成23年度~平成24年度で終了:現在は成果活用中)

実施体制(体制・役職は実施当時のもの)

研究開発責任者
産業技術総合研究所 バイオメディシナル研究センター 主任研究員 新家 一男
共同実施先
  • 北里大学 北里生命科学研究所 教授 池田 治生
  • 理化学研究所 基幹研究所 チームヘッド 高橋 俊二
  • 東京大学 生物生産工学研究センター 教授 西山 真
  • 沖縄科学技術大学院大学学園 マリンゲノミックス・ユニット 教授 佐藤 矩行
  • 東北大学 薬学研究科・分子薬科学専攻 教授 土井 隆行
参画企業
アステラス製薬(株)、オーピーバイオファクトリー(株)、合同酒精(株)、塩野義製薬(株)、日本マイクロバイオファーマ(株)、Meiji Seika ファルマ(株)、産業技術総合研究所、バイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC)

事業概要

本事業は、平成23年4月に当時の独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託した「創薬加速に向けたタンパク質構造解析基盤技術開発/有用天然化合物の安定的な生産技術開発」(平成23年度~平成24年度)である。

微生物は、天然化合物のリソースとして最も有望なものの一つであるが、培養抽出物として安定的かつ大量に取得できないなど、そのままではスクリーニングの効率化に様々な問題点がある。そこで、これまでに無い新しい骨格を持った化合物も含め、微生物の持つ天然化合物の生合成遺伝子を取り出して別のホスト菌株で発現させるなど、目的とする天然化合物を安定的かつ効率よく発現させる手法を開発することが重要である。

天然化合物の構造的特徴に基づく生合成経路を網羅できるような化合物を40個程度選抜し、生合成遺伝子クラスターを取得するとともに、工業生産株を由来とし、安定に形質転換可能な改良ホスト放線菌を用いた異種発現システムを活用し、薬剤スクリーニングに適用可能であり、かつ広範囲の研究機関に配付可能な量である、5 mg/L以上の生産量で天然化合物の生産を可能とする技術の開発を行なうとともに、その汎用性についても見極めを行なった。

事業内容

1.生合成遺伝子クラスターライブラリーの構築

有用天然物の合成に必要な40個程度の生合成遺伝子クラスターを取得し、その生産物を対応づけたデータベースを構築するという目標に対し、BACベクターを用いた、巨大生合成遺伝子取得法を確立した結果、大幅な効率化に成功し、総計64個の生合成遺伝子クラスターを取得した。

2.安定生産技術の開発

40個程度の生合成遺伝子クラスター全てについて、化合物生産株となる別のホスト放線菌へ導入し、目的の天然物を5mg/Lレベルで安定的に生産する技術を開発する。さらにこれら40個程度について、安定的な生産が可能な天然物と困難なものを体系的に整理し、生産が困難なものについてはその原因を解明し、生産の改善を図るという目標に対し、64化合物について異種発現生産の検討を行い、さらに遺伝子改変、遺伝子導入法などの改良を行った結果、> 5mg/L: 32化合物 (80%) < 5mg/L: 12化合物 (30%) 生産無し: 20化合物であった。